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ポストモダンの自動人形

良くも悪くも、「ブレない人」というのは色んなことを考えさせてくれる。さしあたって以下を引用しておこう。 われわれはいま見たような、二つの知を区別するという解釈に従うわけにはゆかない。われわれにとっては、その解釈はそれが解決しようとしている二…

孤独の帰結としての右翼

この手の調査がやっと出てきてくれたという印象。実証調査とは、企画立案から実査、報告書が出るまで一定の時間がかかるものであるわけで、予算を取ってきたり、雑多な書類を書いたり、そうした苦労を自ら買って出て、それを公表してくださる研究者の方々に…

責任を語るポストモダン

なんだか、東・大塚対談本を恣意的に解釈しているブログを読んで、あれっ、そんなこと書いてなかったはずだけど、と思ったのでメモ的に引用。314P 東:そもそもぼくの世代って、NPOや社会企業のはしりの世代でもある。国際大学GLOCOMに所属していたときに、…

「大きな物語の失効」が失わせたものとは

少しだけ気になったので考えてみる。 「大きな物語が失われたために人々は生きる意味を見出しにくくなってしまった」というストーリーにはもっと率直な疑問を感じる。つまり、「大きな物語のおかげで生きる意味が保証されていた」という状況がそもそもうまく…

金の斧と銀の斧

経営とは顧客の創造である。 そうすると経営者の仕事は顧客のニーズを把握し、商品を提供することではなくて、それを生み出すことであるはずだ。 「あなたが落としたのは、こちらの金の斧ですよね?」 と。普通の斧を持つ人に銀の斧を、銀の斧を持つ人に金の…

国家による管理売春の問題点

思想的に、とか書いたものの、もう少し理詰めで考えてみる。そもそも私が増山氏の提案で問題だと思ったのは、性の問題ではなく、国家の介入という点だ。私自身は、性的な欲求を抱えながらもそれを満たされない人に「自助努力で相手を見つけてこい」などと言…

誰かの願いが叶うころ、あの子が泣いてるよ

行かなくてよかったという思いと、行っておけばよかったという思い半ば。 増山:性欲が殺気立っている気がする。性風俗の充実に国が保護を出して3000円で女を抱けるようにするべきでは。 赤木さんも「加藤容疑者は、女を抱きたいんじゃなくて、継続して…

宗教と呪術と宗教団体

この手の宗教観の比較は容易じゃないのだけれど。痛いニュース(ノ∀`):“日本人” 宗教「信じない」7割、「魂は生まれ変わる」3割、「先祖を敬う気持ち持つ」9割…読売調査 ランキングに中国が入ってないので微妙だけど、ベトナムがもっとも神や死後の世界を信…

反知性主義とか優越感とか

日本に存在していたのは、おそらく知性主義ではなくて知性主義に名を借りた優越感ゲーム。竹内洋はそのあたりの事情を、西洋に近いから偉いという山の手文化的なものとして論じていたっけ。その対極には、庶民の実感に根ざした伝統的な智恵を重んじる下町文…

最適な資源配分手段としての宗教共同体

※元の文脈とは完全に切り離された純粋な感想なので、ソースとかその辺のことはパスします。資源を最適に配分するという。配分されなかった人がかわいそうだという人がいる。配分しないともっとかわいそうな人が出るじゃないかという。私から見れば、両者の立…

よく似た対立

あくまで練習問題ですよ奥様方。 例題1 治安悪化問題 治安の悪化はデータ上は裏付けられない。国が厳罰化の方向で介入するのは不当である。 データよりも体感治安の問題。データ云々は現場の親御さんの不安を無視した議論だ。 地域格差拡大問題 格差の拡大は…

BIとクーポンと新自由主義

ヴェルナーの『ベーシック・インカム』は買ったまま読んでないので、あまり言及できない問題なのだけど。 BIは貧しい人々に今までの自分の「正しくない行い」を悔い改めさせると同様に、社会が彼らを搾取する免罪符にもなるのです。そのような欺瞞に加担する…

相対主義は相対化できるか

こないだの論争がらみでいろいろ見ていて、少し気になったことを。 まあ、しかし、こんな議論はすべて意味がないのです。なぜなら、いまのブログ環境においては、あることを主張したいときに、検索エンジンを駆使して自分に都合のいいようにデータを並べ、本…

ナチオンから遠く

お昼休みくらいゆっくりご飯がたべたいです。 東浩紀の渦状言論: 信頼社会は不安社会よりいいのか? 問題の背景がよくわかんないけど - finalventの日記 東浩紀の渦状言論: finalvent氏への応答 両者の違いは、たぶん「ネーション・ステート」を支える「ナシ…

反証の作法

先日、とある本を立ち読みしていて、あまりの出来の悪さに頭を抱えた。同時に、ネット時代になって「データを用いて文章を書く」ことの問題も痛感させられた。その本では、著者が取り上げた分野について論じているもののうち、こちらの議論は根拠のない決め…

いろんな学者が夫婦仲について語る

文学者は、夫婦の仲が崩壊する作品に名作が多いと言う 歴史学者は、夫婦の愛は近代の産物に過ぎないと言う 文化人類学者は、一夫一婦制は世界共通の文化ではないと言う 脳科学者は、愛は三年で終わると言う 心理学者は、健全な夫婦仲とは愛情と打算の混合物…

社会企業家と虚偽意識

週末に読んだ本から2冊。3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書)作者: 城繁幸出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/03/01メディア: 新書購入: 12人 クリック: 412回この商品を含むブログ (275件) を見るまずは城繁幸の新刊…

ビジネスパーソンが読むべき社会科学書籍(の一部)

「コンビニ売りのビジネス誌」というと、もうその時点で役に立たなそう、あるいは即物的すぎる、と決めてかかっていたのだが、昨日見つけた『PRESIDENT』08年3月31日号の特集「一流が読む本、二流が好む本」は、割に面白かった。どうせ宗教まがいの自己啓発…

Post Washington Consensusと疎外された共同体

まったくの門外漢としてはどちらも面白かったのだが。 「ゼロ年代の批評」のこれから──宇野常寛さんロングインタビュー - 荻上式BLOG Enemy of the Sun - 宇野常寛氏のネオリベぶりについて 宇野−荻上がともに肯定する「ジャスコ的な文化」に対して、それは…

自己否定のモメント

話題になっているようだが 「引きこもり」となる原因は「就職や就労での挫折」が最多で、30〜34歳の年齢層が最も多いことが東京都が行った実態調査で分かった。本人の心理や意識にも踏み込んだ引きこもりの公的な調査は全国初。不登校など学校時代の体験…

科学の行き着く先

ある本を読んでいて思ったのだが、近年の社会科学における「科学的な精緻化」のベクトルは、どうも次のようなものになっているらしい。すなわち、社会学が政治学に近づき、政治学(および法学と法哲学)が経済学に近づき、経済学が心理学に近づき、心理学が…

『思想地図』シンポジウムまとめ(第二部)

1月22日に行われたシンポジウムのまとめ。当日のメモを元にした主観からのまとめであるため、発言者の意図を完全にくんでいるわけではないことをご了承ください。 第二部:討論編 (質問パート以前の討議は削除しました)東質問に行きたいんだけど、あらかじ…

『思想地図』シンポジウムまとめ(第一部)

1月22日に行われたシンポジウムのまとめ。当日のメモを元にした主観からのまとめであるため、発言者の意図を完全にくんでいるわけではないことをご了承ください。オフィシャルな議論のテクストは、『思想地図』に掲載されると思われるので、この議論に興味を…

実証モドキ主義者の反証なき「批判」

あまりに馬鹿馬鹿しすぎて言及する気にもなれないが、「実証されていない」ことを批判する資格があるのは、それを反証する手段と能力を持った人間だけだ。「おまえの言ってることなんてただの思いこみだ」という批判者の物言いそのものが「思いこみ」でない…

革命/漸進主義/リベラル

ルールを変えるためのルール - No Hedge! そして第三の方法は、そもそも勝利条件を変えてしまう。鈴木も赤木も、とりあえず強くなってラスボス倒す、という勝利条件は一致しているように見える。それを変える。ラスボス倒したら負け。強いジョブや高い武器買…

文系学問の「科学性」

正直、突っ込もうかどうか悩んだというのもあるのだが。周知の通り、はてな界隈には(俺を含め)情報技術者とか理系大学生が結構いるのだけど(以下略)ほとんどはてブで突っ込まれてしまっているので特に言うことはない。が、この辺の断絶というのは、ステ…

思而不学則殆

元の議論にはまったく言及する必要を感じないのだが。続・「なにが歴史修正主義の問題なのか」についての私見 - Close to the Wall 具体的事実について少しも勉強せずに大上段から物を言うというスタイルはほんといい加減にして欲しい。こういうやり方をすれ…

「水」について

「空気」絡みで「水」の方も話題になっていたのだが、わざわざ人と絡むのも好きではないので、山本「『水=通常性』の研究」から一部引用するだけにとどめる。 さて「『空気』の研究」から「『水=通常性』の研究」まで、臨在感的把握とか、空気の醸成とか、…