革命/漸進主義/リベラル

ルールを変えるためのルール - No Hedge!

そして第三の方法は、そもそも勝利条件を変えてしまう。鈴木も赤木も、とりあえず強くなってラスボス倒す、という勝利条件は一致しているように見える。それを変える。ラスボス倒したら負け。強いジョブや高い武器買ったら負け。何マジになってんだよ。装備もジョブもデフォルトのまんま生き延びた方が勝ちに決まってんだろ、という風に。

普通の言葉で言うと、それは「リベラリズム」。アメリカ人がリベラルを嫌うのは、その「デフォルトのまま」という発想に「自分を成長させることなく甘えている奴」というレッテルを貼るからだ。ちなみに革命家が漸進主義を嫌うのは、さしあたりであれ「いまある社会」を肯定するという立場は、どのような意味でも「進歩的=いまここにない世界を夢想する=左翼」ではないと考えるから。この場合だと、革命→漸進主義→リベラル、と、個人に対して要求する水準は下がっていくのだが、その分、「誰がルールの書き換えを行う権限を持つか」についての問題が生じる。革命は個人に高度な精神性を要求するので、一部の「前衛」しか革命家になれない。他方、リベラルは個人の初期状態を可能な限り肯定するので、エリートによる制度設計を呼び出す可能性が高い。その意味でも漸進主義は、「だいたいであいまい」な立場なのだが、ラディカルな社会変革が真に必要とされている状況でない限り、もっともリスクの少ないやり方であるとも言える。要は、どの道がふさわしいかは状況次第ということ。