リアクション地獄の果てから

関係ないけど、ブログという場所では、読者が増えれば増えるほど、相互に矛盾した要求や感想が寄せられることになる。マスメディアだって同じなのだろうけれど、彼らはその矛盾をこれまでの慣行とカネの出所というロジックでもって無視することが可能だったりする。動機付け一本が問われるネットの個人メディアだと、割とその辺をついて動機を削いでしまうのは容易い。情報戦という観点から言えば、エントリの量と質で勝負すれば、リアクションにおけるS/N比はかなりの程度改善できる。ただ、情報戦そのものの動機付けはそこからは導出できないわけで、そこから先はネットワークというか、日々興味をそそられる情報にどの程度アクセスできているかということなのだと思う。

特に大事なのはネット以外の情報で、とにかく自家中毒を起こしがちなアクション−リアクションの応酬に対して、現場の知恵なり文脈の違う場所の現実なりをインクルードするのはすごい大事。エントリの内部の情報が多いことは、多くの文脈を押さえていることを必ずしも意味しない。すごく緻密に考えたと本人が思っているものほど、40字で反論できそうな穴を抱えていたりする。でも40字で反論するとまったくの曲解をされてそれに対するエクスキューズが必要になり、結局は4000字必要になってしまう。こういう状態で無限に増えていくエントリにおぼれないでいられるブロガー諸氏は本当に偉いなと思う。少なくともそれが、朝までケータイメールを終えられない中学生みたいなことになっていない限りで。